
遺産を分ける話し合い遺産分割協議は、すべての相続人が参加して協議をする必要があります。
そのため一人でも相続人が欠けた状態で遺産分割協議をしても、その協議は無効となってしまいます。
では、相続人の中に手紙や電話でも、まったく連絡が取れない人がいる場合はどうしたらいいのでしょうか?
このような場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらいましょう。
選任してもらうと、不在者財産管理人が不在者(行方不明者など)の財産を管理することができるため遺産分割協議を進めることができます。
この記事では不在者財産管理人を選任するために必要な具体的な手続きをご紹介します。
不在者財産管理人とは
不在者(行方不明者など)に財産の管理をする人がいない場合、家庭裁判所は利害関係人からの申立てにより、不在者財産管理人を選任することができます。
選任された不在者財産管理人は、不在者の財産を管理・保存するほか家庭裁判所の許可(権限外許可)を得たうえで、不在者に代わって遺産分割や不動産の売却などを行うこともできます。
不在者財産管理人になるために資格は必要ありませんが、不在者の財産を管理するため職務を適切に行う必要があります。

不在者財産管理人選任の申立て
1.申立て人
・利害関係人(不在者の配偶者、相続人となる者、債権者など)
・検察官
2.申立先
・不在者の従来の住所地又は居住地の家庭裁判所
管轄の裁判所を調べる
裁判所HP
3.申立費用
・収入印紙800円分
・連絡用の郵便切手(申立先の家庭裁判所に確認してください。)
*不在者の財産から、不在者財産管理人が不在者の財産を管理するために必要な費用(報酬含む)を支出しますが、不在者の財産に不足がでる可能性がある場合には、申立人が相当額の予納金を納付しなければならない場合があります。
4.申立に必要な書類
(1)申立書
(2)申立添付書類
・不在者の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
・不在者の戸籍附票
・財産管理人候補者の住民票または戸籍附票
・不在の事実を証する資料
・不在者の財産に関する資料
・利害関係を証する資料(利害関係人)
*追加書類の提出をお願される場合もあります。
申立書は裁判所HP不在者財産管理人選任の申立書よりダウンロードできます。
ダウンロードする書式は家事審判申立書になります。
記入例が記載してあるのでわかりやすいですヨ
まとめ
遺産分割協議は、すべての相続人が参加する必要があるため不在者がいると手続きが進みません。
また連絡がつかないからと言って相続人が欠けた状態で遺産分割協議をしても、その協議は無効となります。
弁護士等に依頼して不在者を探してもらうこともできますが、家庭裁判所に申立をして不在者財産管理人を選任してもらうことで止まっていた手続きを再び進めることができます。
この不在者財産管理人の申立を選択肢の1つとして考えてみては、いかがでしょうか。