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契約成立の流れを具体例(売買契約)で解説!|頭んなかのたとえば・・

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売買契約、賃貸契約・・など生活のなかで契約を交わす場面は多くあります。実は、コンビニなどで何気なくしている買い物も契約を交わしていることになります。

では、どのように契約は成立するのでしょうか。契約の成立にはいくつかの条件が必要です。

今回は、契約に必要な条件と成立までの流れを具体例を交えて解説したいと思います。

契約の成立までの流れや必要な条件を知ることで、どういった行為が法律的な行為にあたるのかを理解することができます。

それでは、頭のなかで想像しながらみていきましょう!

契約の成立に必要な条件

契約の成立に必要な条件は2パターンあります。

諾成契約・・当事者の合意(申し込み承諾)で成立する

要物契約・・当事者の合意に加え、実際に目的物を引き渡すことで成立する

売買契約など契約の多くは諾成契約です。

民法改正により、以前は要物契約であった契約もほとんどが諾成契約へと変わりました。
消費貸借、使用貸借、寄託の契約は要物契約とされていましたが、消費貸借(書面によるもの)、使用貸借、寄託は諾成契約となりました。
現在は、書面によらない消費貸借契約のみ要物契約となっています。

くじらおくん

なんだか、難しいなぁ・・

マッコ先生

普段のくらしで
いつ・どういった行動をすると契約が成立するのかを知っておくことが大切です!

契約成立までの流れ

売買契約の具体例

みなさんに身近な諾成契約といえば売買契約があります。
あまり意識していないと思いますが、普段スーパーなどで買い物している際も売買契約を結んでいることになります。

売買契約が成立するためには、申し込み承諾が必要です。

頭んなかくん

どのような場面が申し込み承諾にあたるのか具体例をみてみましょう!

お店で買い物編

くじらおくん

今日はスープでも飲もうかなー
新鮮な海藻を100グラムください~!

頭んなかくん

{頭んなかくん解説}

くじらおくんの
「新鮮な海藻を100グラムください~!」
申し込みにあたります

なみストア

ありがとうございます~
150円です

くじらおくん

150円ですね~

頭んなかくん

{頭んなかくん解説}

なみストアの
ありがとうございます~
承諾にあたります!

※この承諾の効力は相手に届いた時点で効力が生じます。

この場合は、なみストアの「ありがとうございます~」がくじらおくんに届いた時点です。

申込みと承諾がされると、契約が結ばれたことになります。
そしてこの契約の内容を実際に実行することを契約の履行といいます。
では、契約の履行についてみていきましょう!

くじらおくん

はい、150円です~

なみストア

どうぞ~
海藻スープです

頭んなかくん

{頭んなかくん分析}

くじらおくんが店員さんに代金を支払う
なみストアがくじらおくんに商品を引き渡す
この行為が契約の履行にあたります!

お店で買い物をする場合は、お客さんが店員さんにお金を支払います。
店員さんは、商品を引き渡します。
これが、交わした契約を実際に実行する契約の履行です。

契約を交わすことで生まれる責任

続いて、契約を交わすことでどういった責任が生じるのでしょうか。

先程のお店で商品を買うといった売買契約であれば、

売主である"なみストア"は、交わした契約の内容に合った商品の種類・品質・数量引き渡す義務が生まれます。

契約内容は、くじらおくんがいった「新鮮な海藻を100グラムください~!」となります。

"なみストア"は、【種類→海藻、品質→新鮮な 数量→100グラム】を引き渡す義務があります。

この契約の内容に適合しない場合、債務不履行となります。
債務不履行とは、契約の内容を果たさないことです。

買主は損害賠償請求や契約の解除をすることができます。
さらに改正民法に伴い、代わりとなるものの引き渡しまたは修補(欠陥を補う)代金を減額して請求することも可能となりました。

先程の例で、数量が足りなかった場合は、

なみストア

すみません、100グラムもなくて60グラムしかないのですが・・

くじらおくん

では、その分安くしてください~

このように、減額請求できます。

続いて、買主である"くじらおくん"は、代金を支払う義務があります。

代金の支払いが遅れている場合、売主は代金以外に遅延損害金を請求することができます。

この遅延損害金の取り決めが買主と売主の間でされてなければ、法定利率で計算されます。民法上では、5%となっています。

代金を支払わなかった場合は債務不履行となり、先ほどの買主と同様に売主は損害賠償請求や契約の解除をすることができます。

まとめ

頭んなかくん

最後にもう一度内容を確認しましょう!

契約の成立には申し込みと承諾が必要

(引き渡しが要件なのは書面によらない消費貸借)

交わした契約を実際に実行するのが契約の履行

契約によって売主・買主の双方に責任が生じる

どのような行為によって契約が成立するのかを知っておくことが大切です。

そうすれば、どの時点で自分や相手側が責任を負うことになるのか理解できるからです。

知っておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

ここでは、解説していませんが、売買契約などを結ぶと債権者・債務者という立場が生じます。
債権者と債務者については、下記に詳しく解説していますのでぜひこの機会に知っておきましょう!

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