戦国武将から考える赤ちゃんの名前｜現代と戦国時代の名づけのルールも解説

赤ちゃんの名前、なかなか決まらない……と悩んでいませんか？

私もわが子の名前を考えていたとき、しっくりくるものが見つからず迷いました。

そんなとき、歴史好きの私が惹かれたのが戦国武将の名前です。

戦国武将の名には、古風で力強い響きから、今でも通じるおしゃれな名前までさまざま。

名づけのヒントとして見てみると、思いがけない発見がありました。

この記事では、100人以上の戦国武将の名前を五十音順で紹介しています。

さらに、現代と戦国時代の名づけのルールの違いもわかりやすく解説していますので、名づけに迷ったときはぜひ参考にしてみてください。

現代の名づけのルール
- 名づけのルールは戸籍法
- 名づけで気をつけたいこと
戦国時代の名づけのルール
戦国武将から考える赤ちゃんの名前
まとめ

現代の名づけのルール

私たちが子どもに名前をつけるとき、なんとなく自由なようでいて、実はきちんと法律で定められたルールがあります。

その根拠となるのが、「戸籍法」です。

名づけのルールは戸籍法

戸籍法には、名づけについて次のように定められています。

【第50条】

子の名には常用平易な文字を用いなければならない。
常用平易な文字の範囲は法務省令でこれを定める。

つまり、使える文字が「常用平易な文字」であれば、それ以外に細かい制限はありません。

このことから、日本の法律では名前の自由度が非常に高いといえます。

「常用平易な文字」とは？

使える文字の範囲は次のとおりです。

常用漢字（2,136字）
戸籍法施行規則別表に記載された漢字
ひらがな・カタカナ

名づけで気をつけたいこと

自由に名づけができるとはいえ、何でも許されるわけではありません。
名前があまりに非常識だと、役所が出生届を受理しない場合もあります。

たとえば次のようなケースです。

明らかに生活で支障が出る
卑猥・残酷な印象を与える
読み方が成立しない

実際、男の子に「悪魔」と名づけた出生届が拒否され、裁判にまで発展した事例もありました。

（※裁判所は命名権の乱用として戸籍法に違反すると判断）

このように法律上は自由でも、お子さんが将来困らないように「常識の範囲内」で名づけることが大切です。

現代にはこのような名づけのルールがありますが、戦国時代の人たちはどのように名前をつけていたのでしょうか。

戦国時代の名づけのルール

歴史を調べてみると、当時の名づけには「人生とともに変化する」という独特の文化がありました。

子どもから大人になるまで、立場や信仰によって、名前は何度も変わっていきます。

そして、そのひとつひとつに、その時代ならではの決まりごとや思いがありました。

1. 幼名（ようみょう）

赤ちゃんが生まれて最初につけられる名前を「幼名（ようみょう）」といいます。

親が一番最初に願いを込める名前であり、元服（成人）を迎えるまで名乗ります。

例）織田信長 → 幼名「吉法師」
　　豊臣秀吉 → 幼名「日吉丸」
　　徳川家康 → 幼名「竹千代」

「長生きしてほしい」「健やかに育ってほしい」など、子の幸せを祈る想いが込められていました。

赤ちゃんの健康や未来を願う気持ちは、今も昔も変わりません。

2. 諱（いみな）

元服の際に、正式な名前である「諱（本名）」が与えられます。

この名を親しい人以外が呼ぶのは失礼とされ、日常ではほとんど使われませんでした。

例）織田信長　→　信長
　　豊臣秀吉　→　秀吉
　　徳川家康　→　家康

諱は一般的に漢字2文字で構成され、一族や主君から一文字を授かることも多かったようです。

3. 仮名（けみょう）

諱の代わりに使う日常的な呼び名です。

仮名には兄弟の順や役割を表す名前「～郎」「～三郎」などがよく使われました。

例）織田信長　→　三郎
　　豊臣秀吉　→　藤吉郎
　　徳川家康　→　次郎三郎

人との関係や立場を表す、いわば「社会の中での名前」だったともいえます。

現代の私たちでいうと、あだ名やニックネームのような“親しみのある呼び方”に近いかもしれませんね。

ちょっと変わった名づけ：豊臣秀吉の場合

豊臣秀吉の名づけ方は、とても特徴的でした。

53歳という高齢で初めての子どもを授かったこともあり、「捨て子はよく育つ」という民間信仰にあやかり、

長男 →「棄（すて）」
次男 →「拾（ひろい）」

と名付けました。

迷信の賛否は別として、子どもが幸せに育つように、親ができる祈りを込めたという点では、今の親とまったく同じです。

このように、戦国時代の名前には、人生の節目ごとに意味があり、そこには家族の願いや、その人の生き方を映す物語が込められていました。

【参考】戦国武将の名前と現代人の名前を比べてみると色々違いがわかる